【医師】独立開業の流れ|適切なタイミング・成功ポイントも解説!
医師の独立開業は、人生の大きな転機となるイベントの1つと言えます。しかし、独立開業には一定のリスクが付き物です。「いつかは独立開業したい」と考えつつも失敗リスクを踏まえると思い切った行動を取れず、悩む方もいるでしょう。
当記事では、医師が独立開業する際の流れや成功するためのポイントを解説します。独立開業に適したタイミングの見定め方も紹介するため、医師としてのより良い将来につながる働き方を探している方はぜひ参考にしてください。
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目次
1. 「医師の独立開業は難しい」と言われる理由
2. 勤務医が独立開業するメリット・デメリット
2-1. メリット3選
2-2. デメリット3選
3. 医師の独立開業に適したタイミングは?
4. 【4STEP】医師が独立開業する際の流れ
5. 医師が独立開業を成功させるためにおさえておくべきポイント
まとめ
1. 「医師の独立開業は難しい」と言われる理由
厚生労働省の公表によると、2020年時点における開業医の人数は病院と診療所の合計で77,728人です。開業医の人数を2019年時点と比較すると800人以上増加しており、一定数の医師が独立開業しています。
(出典:厚生労働省「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
その一方、医師の独立開業は「難易度が高い」と言われることもあります。独立開業して経営を軌道に乗せるためには、以下の知識やスキルを要求されることが理由です。
● マネジメントスキル ● 集客・マーケティングスキル ● 人事・労務管理・経理の知識 |
もちろん、病院などの経営を安定させるためには豊富な臨床経験や専門分野の知識も欠かせません。経営者としての素質と医療分野の経験・知識の両方を養うためには一定の努力を要することから、「医師の独立開業は失敗しやすい」と考える方もいます。
2. 勤務医が独立開業するメリット・デメリット
医師の独立開業はキャリアプランの大きな転換点にもあたるため、安易に決断することはハイリスクです。独立開業にはメリット・デメリットの両方があることを理解し、後悔しない結論を出しましょう。
医師の独立開業の主なメリット・デメリットはそれぞれ、以下の通りです。
2-1. メリット3選
勤務医が独立開業すると自分自身の裁量で決定できる事柄が増加することから、次のようなメリットが期待されます。
● 大幅な年収アップのチャンスがある ● 信念や理想に基づく医療サービスを提供できる ● 勤務スケジュールの自由度が高まる |
独立開業した医師の年収は、病院などの利益に左右されます。経営者としての手腕を発揮して大きな利益を上げれば、勤務医時代と比較して大幅な年収アップも可能です。
勤務医として働く際には、組織としての方針や決定に従わなければならない場面が多くあります。組織と自分の考え方が異なれば時に、大きなストレスを感じるでしょう。独立開業して自分自身で治療方針を決定すれば、信念や理想に基づく医療サービスを提供できます。
さらに、独立開業する場合には診療時間や休診日を自由に設定可能です。十分な人材を確保すれば、プライベートの時間を充実させられ、ワークライフバランスに配慮して働く生活も実現できます。
2-2. デメリット3選
独立開業するキャリアには多くのメリットがある反面、下記のようなデメリットも伴います。
● 経営者としての責任が発生する ● 独立開業資金がかかる ● 自分自身でトラブルに対処する必要がある |
独立開業した医師は、医療従事者であると同時に経営者です。看護師や受付スタッフを雇用すれば一定人数の患者さんを集め、人件費を捻出する責任が発生します。
また、独立開業する際には敷金・礼金や診療設備の導入費用に充てるため、まとまった金額の資金が必要です。資金の一部を融資によって調達する場合は独立開業後、計画的に返済する必要があります。
患者さんが少ない・人件費がかさむなどの理由で経営状態が優れなければ赤字が生じ、勤務医時代より年収がダウンする可能性もゼロではありません。
3. 医師の独立開業に適したタイミングは?
独立開業に適したタイミングは、医師によって異なります。30代前半など「若手」にあたる年代で独立する方もいれば50代で行動する方もいるため、画一的な時期を示すことは困難です。
ただし、タイミングに迷う場合は極力早く独立開業を行うことがおすすめです。下記は、若手のうちに独立開業するキャリアのメリットとなります。
● 経営者としてのスキルをスムーズに学習できる ● 余裕を持って独立開業資金の返済を進められる |
体力や気力が充実している年代に独立すれば、新しい分野のスキルの学習をスムーズに進められます。定年までに十分な期間がある年代で独立すれば余裕を持ったペースで、独立開業資金の返済を進めることも可能です。
中には、若手にあたる年代で独立し、経営が軌道に乗ったタイミングで医療法人化する開業医の方も多くいます。医療法人化に適したタイミングも医師によって異なるため、専門家にも相談しつつ、時期を決定してください。
4. 【4STEP】医師が独立開業する際の流れ
医師が独立開業する際には、行わなければならない事柄が多数あります。独立開業の準備には数年単位の年月がかかる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
医師が独立開業する際に必要な事前準備の内容と一般的な流れは、次の通りです。
【STEP1:開業準備】
自分自身の思い描く病院や診療所の理想像に従って開業地を検討し、物件を探します。保有する土地に病院や診療所を建設する場合は専門業者と話し合い、外装・内装工事の概要とスケジュールを決定しましょう。
【STEP2:資金調達】
独立開業時には外装・内装工事費用や医療機器の購入費用など、さまざまな出費が発生します。用意した自己資金で全額をまかなえない場合は金融機関に相談し、不足分を調達しましょう。
【STEP3:人材雇用・育成】
人材雇用は、必要な人材の明確化・求人方法の検討・採用活動の流れで進めることが一般的です。求人方法には、求人サイトへの広告掲載・ハローワーク・紹介などの種類があります。独立開業までに必要な人材を確保できない場合は一時的に、人材派遣会社のサポートを受けることも検討しましょう。
【STEP4:各種手続き】
医師が独立開業する場合は通常、保健所へ「開設届」を提出した後、厚生局への「保険医療機関指定申請」を行うことが必要です。開設届が受理されると、施設における診療行為が許可されます。保険医療機関指定申請は、保険診療を行うために必要な手続きです。
その他、場合によっては、以下の手続きが必要になる可能性があります。
保健所 |
● 診療所使用許可申請書 ● 結核予防法指定医療機関指定申請書 |
福祉事務所 |
● 生活保護法指定医療機関指定申請書 |
地区医師会 |
● 母体保護法指定医師指定申請書 |
税務署 |
● 個人事業の開廃業等届出書 |
社会保険事務所 |
● 健康保険・厚生年金保険新規適用届 |
(出典:J-Net21「医院開業」
医師が独立開業する際に必要な手続きは診療科目・施設の規模・従業員の人数などに応じて変化するため、事前に詳細を確認した上で計画的に進めてください。
5. 医師が独立開業を成功させるためにおさえておくべきポイント
病院や診療所は、開業すれば必ず成功するとは限りません。大きな失敗を回避するためには「誰にどのような医療を提供し、どのように貢献するか」をよく考えて、明確化しましょう。
そして、明確化したビジョンに沿って開業地を絞り込み、医療ニーズの市場調査を行います。市場調査を自分自身で行うことが難しい場合は、コンサルティング会社のサポートを受ける方法が一案です。
また、医師が独立開業して多くの利益を上げると多額の税金を課されます。努力に見合った資産を形成するためには、節税や資産運用の知識が欠かせません。
節税や資産運用のノウハウが分からず不安を感じる場合には、専門家のサポートを受けることがおすすめです。医師のサポート実績が豊富な専門家に相談すれば病院や診療所の経営まで考慮した、総合的なアドバイスを受けられます。
まとめ
医師が独立開業する際にはさまざまな分野の知識が必要になるため、「難しい」「失敗しやすい」と言われるケースもあります。
しかし、ネガティブな意見に負けず、独立開業に踏み切る医師も少なくはありません。中には30代前半で独立開業する医師の方もいるため、自分自身の決断に自信を持ち、前向きに行動しましょう。
また、医師が独立開業してより良い人生を歩むためには、節税や資産運用のノウハウも欠かせません。将来につながる有益なノウハウを現時点から得たい方は、ぜひインベストメントパートナーズにご相談ください。
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