物価2%上がると実質賃金は目減りする ②
こんにちは
ドクターズライフ安心倶楽部「創」コンシェルジュ 山田 です
今回は、前回7/25(木)の記事 の続きになります。
↓↓↓↓↓
■ 2%の物価目標に立ちはだかる関門
安倍政権の発足とほぼ同時に底打ちした景気は、
当初では期待先行の面が強かったのですが、
ここにきて実体経済の回復基調も鮮明となってきています。
先行きについても、
円安や緊急経済対策による景気押し上げ効果や、
消費税率引き上げ前の駆け込み需要などもあり、
景気は堅調に推移する可能性が高くなると思います。
問題は、
消費税率が5%から8%に引き上げられる2014年4月以降も、
はたして景気回復基調が維持できるかということです。
ニッセイ基礎研究所の調べでは、
2013年度中は高成長が続くことにより
需給ギャップがいったんプラス圏に浮上しますが、
2014年度は駆け込み需要の反動減に
物価上昇に伴う実質所得低下の影響が加わることから
成長率は大きく低下して、
需給ギャップは再びマイナスに転じる
と予想しているらしいです。
このため、
消費者物価の伸びも頭打ちになるとみているらしいですが、
仮に景気低迷下でも物価上昇率が高まり続けるのであれば、
これこそ「悪い物価上昇」ということです。
また、消費税率の引き上げは、
実質賃金の大幅な低下をもたらす可能性が高いですね。
2014年度の消費税率引き上げ(5%→8%)だけで
消費者物価は2%程度上昇するため、
名目賃金を2%引き上げなければ
実質所得は目減りしてしまいます。
消費税率引き上げによる物価上昇分が
すべて賃金に反映されれば
実質賃金の目減りは回避できますが、
企業の人件費抑制姿勢は依然として根強いため、
現実的には厳しくなりそうです。。。
実際、過去2回の消費税率引き上げ時(1989年度と1997年度)には、
名目賃金の伸びが消費者物価上昇率を大きく下回ったため、
実質賃金上昇率は前年度から大きく低下しました。
また、過去2回の引き上げ時には
名目賃金上昇率が明確なプラスとなっていましたが、
今回は賃金が伸びない中での増税となりますので、
影響はより深刻なものとなる恐れもあるはずです
■ 「悪い物価上昇」を甘受するのか
2013年3月に日銀新体制が発足してから
4ヶ月あまりが経過しましたが、
これまでのところ景気、物価ともに
当初の想定どおりに推移しており、
順調なスタートを切ったという評価が出ています
ただし、消費税率の引き上げが予定されている
2014年度には正念場を迎える可能性が高くなり、
場合によっては、景気(需給バランス)の悪化と
実質賃金の減少を伴う典型的な
「悪い物価上昇」に陥るリスクも否定できないですね。
もともと、過去の実績からみて、
日本に限らず、需給バランスの改善と
実質賃金の上昇がそろった形で
物価上昇が加速するという
「よい物価上昇」を続けていくことは
極めて難しいです。
さらに、消費税率引き上げ時期を含む2年間で
これを実現することは、
至難の業と言ってもいいことだと
思います
何が何でも2%物価目標を達成するということであれば、
初めから「悪い物価上昇」を甘受する覚悟が必要かも
しれませんね。。。
如何でしたでしょうか
難しい話で長くなりましたが、
今回も最後までお付き合いただき
ありがとうございました
次回のブログもどうぞよろしくお願いいたします
ドクターズライフ安心倶楽部 創
0120-43-5410
資産 コンシェルジュ
URL : http://sou-doctor.com/