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物価2%上がると実質賃金は目減りする ①

こんにちは

ドクターズライフ安心倶楽部「創」コンシェルジュ 山田 です

以前、「物価2%上昇達成なら、実質賃金は目減りする 」という

記事を書きました。

今回は、これについて、

東洋経済から部分的に抜粋しながら書こうと思います。

まず、消費者物価の動きは

デフレ脱却に向けた第一歩とみることも可能ですが、

その一方で ココにきて浮上しているのが、

悪い物価上昇への懸念です。

足元の物価上昇は円安に伴う輸入物価の上昇を主因としたものであり、

賃金の上昇を伴わない中で物価が上昇すれば、

家計の実質所得の低下が消費の抑制につながるため、

一時的に物価が上昇したとしても、再びデフレに逆戻りしてしまう

というものです。

■ 「よい物価上昇」と「悪い物価上昇」の違いとは?

そもそも、「よい物価上昇」「悪い物価上昇」とは何でしょうか。

これらについて厳密な定義があるわけではありません。

一般的には「よい物価上昇 」とは、

景気回復に伴う需要の拡大を反映した

いわゆるディマンド・プル型の物価上昇のことを指します。

この場合、企業の売り上げや収益が改善し、賃金も上昇するため、

このことがさらに個人消費の増加をもたらすといった形で、

物価上昇と景気拡大が持続するという好循環が生まれることに

なりますね。

一方、「悪い物価上昇 」とは、

主として資源価格の上昇や円安による

原材料価格の上昇によって引き起こされます。

企業はコストの上昇を最終製品に価格転嫁するため

消費者物価は上昇しますが、

需要の拡大を伴っていないため売り上げや収益は伸びず、

また、労働者の賃金も増えません。

賃金が伸びない中で物価が上昇することにより

家計の実質所得は目減りし、

このことが個人消費の抑制、景気のさらなる悪化に

つながります。

物価は一時的に上昇するものの、

需要の拡大を伴っていないため、

結局はデフレに逆戻りしてしまうでしょう。

日本銀行は、2年間で2%

消費者物価上昇率を達成することを目標としていますが、

言うまでもなく悪い形での物価上昇は望んでいません。

しかし、「よい物価上昇」という形で物価上昇率を

持続的に高めていくことが果たして可能なのでしょうか?

ここで、1970年以降の40年あまりの四半期データを用いて、

日本、アメリカ、イギリス、ドイツ

「よい物価上昇」がどのくらいの確率で出現してきたのかを

見てみました。


具体的には、

 消費者物価上昇率が加速した局面において、

 需給バランスの改善と実質賃金の上昇が

 同時に起こった場合を「よい物価上昇」、


 需給バランスの悪化と実質賃金の低下が

 同時に起こった場合を「悪い物価上昇」、


 需給バランスが悪化(実質賃金は上昇)あるいは

 実質賃金が低下(需給バランスは改善)した場合を

 「やや悪い物価上昇」

として、それぞれの

出現確率を求めてみました。

■ 「よい物価上昇」が起きる確率は低い

  図表1 「良い物価上昇」、「悪い物価上昇」の確率


   『医師・歯科医師の将来ビジョンを達成させる』 為のコンサルタントスタッフブログ


結果は図表1の通りとなります。

特徴としては、

まず、「よい物価上昇」の出現確率は

いずれの国においてもあまり高くないことが挙げられます。

最も低いのはアメリカの7%で、

日本、イギリス、ドイツは20%台となっています。

また、「悪い物価上昇」の確率はおおむね30%前後ですが、

すべての国で「よい物価上昇」の確率を上回っている状態。

全体の5割前後を占め、出現確率が最も高いのが

物価上昇局面で需給バランスの悪化か実質賃金の低下の

いずれかが起こる「やや悪い物価上昇」です。

このように、過去40年以上の実績からみる限り、

よい形で物価上昇率を持続的に加速させることは、

非常に難しい課題であることがわかります・・・

次に、「悪い物価上昇」が

需給バランス悪化と実質賃金低下の

どちらの要因によって引き起こされているのかをみてみると、



いずれの国でも物価上昇局面では

需給バランスが改善していることが多いですが、

物価上昇と実質賃金の上昇が両立していることは少なく、

日本、イギリス、ドイツで30%台、アメリカで10%程度しかありません。




つまり、悪い物価上昇は実質賃金の低下によって

もたらされている場合が多いという事ですね。





  図表2 消費者物価上昇率加速(減速)局面の賃金上昇率

   『医師・歯科医師の将来ビジョンを達成させる』 為のコンサルタントスタッフブログ






また、名目賃金上昇率を

物価上昇局面と物価下落局面に分けてみると、


いずれの国でも物価上昇局面では賃金も上昇しますが、

上昇率は消費者物価よりも低いことが分かります。



逆に、物価下落局面では名目賃金も下落しますが、

下落率は消費者物価よりも小さいです。(図表2)





このことは物価上昇局面では実質賃金が低下し、

物価下落局面では実質賃金が上昇する傾向があることを

意味します。






・・・といったところで、今回はココまで



最後までご覧いただきましてありがとうございました



続きは7/29(月)にアップしますので、

またお願いいたします。






ドクターズライフ安心倶楽部 創

  0120-43-5410

              資産 コンシェルジュ


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