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医師・歯科医師がプライベートカンパニーを設立するメリット・デメリット

近年、特に勤務医の方を中心にプライベートカンパニーを設立される方が増えています。当記事をご覧になっている皆様の中にも、「医療法人とは違った法人を設立することにより、節税ができる」などといったお話を聞かれたことのある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、プライベートカンパニーの概要・プライベートカンパニーを設立する5つのメリットと4つのデメリット、設立の基本的な流れについて解説します。プライベートカンパニーの設立を少しでも検討している医師・歯科医師の先生方は、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.そもそも「プライベートカンパニー」とは?
      1. 1.0.1.●プライベートカンパニーの主な設立目的
      2. 1.0.2.●プライベートカンパニーの設立を検討すべき目安
      3. 1.0.3.●MS法人について
    1. 1.1.忙しい医師におすすめのプライベートカンパニー事業
      1. 1.1.1.●不動産経営
      2. 1.1.2.●株式投資
      3. 1.1.3.●原稿執筆や講演
  2. 2.医師がプライベートカンパニーを設立する5つのメリット
    1. 2.1.メリット(1)所得分散により所得税の節税効果が期待できる
    2. 2.2.メリット(2)相続税対策に活用できる
    3. 2.3.メリット(3)法人保険を活用できる
    4. 2.4.メリット(4)経費枠が増える
    5. 2.5.メリット(5)MS法人でなければ自身が代表になることも可能である
  3. 3.医師がプライベートカンパニーを設立する4つのデメリット
    1. 3.1.デメリット(1)初期費用がかかる
    2. 3.2.デメリット(2)運用コストがかかる
    3. 3.3.デメリット(3)勤務先に了承を得る必要がある
    4. 3.4.デメリット(4)医業を行えるのは医療法人のみとなる
  4. 4.プライベートカンパニーを設立する基本的な流れ
  5. 5.まとめ

そもそも「プライベートカンパニー」とは?

プライベートカンパニーとは、個人の資産管理のために設立する会社です。勤務医として働いている場合、本業以外(副業)で得た収入を、プライベートカンパニーで管理することになります。

形態としては、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」があり、特に一般的なのは株式会社です。プライベートカンパニーは法人として扱われるため、個人事業主とは異なります。

また、プライベートカンパニーは、一般的な株式会社のように組織全体を大きくして利益を確保しようとするための会社ではありません。その目的から「資産管理会社」と呼ばれることもあるため、併せて覚えておきましょう。

●プライベートカンパニーの主な設立目的

プライベートカンパニーを設立する目的としては、「節税」が多い傾向にあります。プライベートカンパニーの場合、適用されるのは「所得税」ではなく「法人税」です。個人資産を法人として管理することで、多くの節税効果があります。

所得税は累進課税であるため所得が増えるほど税率も高くなりますが、法人税の場合は税率が一定です。収入が多い人ほど、法人にすることで多くのメリットを得られるようになります。

●プライベートカンパニーの設立を検討すべき目安

課税所得が800万円を超えている医師は、プライベートカンパニーの設立を積極的に検討することをおすすめします。所得金額が800万円を超える人であれば、多くの場合、所得税ではなく法人税のほうが税率は低くなり、より大きな恩恵を受けるためです。

●MS法人について

医師が設立するプライベートカンパニーについて、関連してよく使われる言葉に「MS法人」があります。MS法人とは、「メディカルサービス法人」の略称で、医療サービスを提供する法人のことです。法人の目的が「医療サービス」という点で異なるだけであり、基本的にはプライベートカンパニーと同じ意味合いを持ちます。


忙しい医師におすすめのプライベートカンパニー事業

医師として働いていると、日頃の仕事が忙しく、本業以外のことに時間を充てる余裕がないと感じる人も多いでしょう。さらに、自分自身が医師として働く時間帯は、一般的に多くの労働者が働く時間でもあるため、取引先との頻繁なやり取りが発生する事業は向いていません。

また、一口にプライベートカンパニーといっても、さまざまな事業があります。その中でも、忙しい医師におすすめのプライベートカンパニー事業は、下記の通りです。

●不動産経営

多忙な医師に最もおすすめできるプライベートカンパニー事業が、不動産経営です。不動産経営であれば、物件を購入してオーナーになれば、管理や運用は不動産会社に代行してもらえます。医師本人の実務は、不動産会社からの指示や確認への対応と、キャッシュフローの確認などと比較的少ないため、本業との両立がしやすいでしょう。

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●株式投資

株式投資も、医師でも行えるプライベートカンパニー事業の1つとして挙げられます。株式投資を成功させるポイントは、本業とのバランスを考えることです。普段は勤務医として働く以上、取引の時間はどうしても限定されるため、「隙間時間の有効活用」「ヘッジファンドへの運用依頼」など工夫を考えましょう。

●原稿執筆や講演

医療分野の知識や経験を生かし、原稿執筆や講演を行うことも選択肢の1つです。ただし、紹介している他の事業と比べると、活動に充てる時間が必要となるため、自分の労働状況と照らし合わせて検討すると良いでしょう。

医師がプライベートカンパニーを設立する5つのメリット

プライベートカンパニーの設立が近年注目されているのは、医師にとって多くのメリットがあるためです。所得税の節税や相続税対策、経費枠の増加など、税金関連では特に大きなメリットがあります。

ここでは、医師がプライベートカンパニーを設立することで得られる5つのメリットについて、具体的に紹介します。

メリット(1)所得分散により所得税の節税効果が期待できる

プライベートカンパニーを持つことは、法人という名の「財布」がもう一つ増えるということを意味します。所得を個人と法人に分けることにより、更なる所得分散効果が期待できます。また、個人への課税については増税傾向にありますが、法人税は減税傾向にあり、所得税率と法人税率の差を利用して税金対策を行うことも可能です。

さらに、他のお仕事をされていることや遠方にお住まいであることが理由で個人事業主の事業専従者になれていないご家族を法人の役員とし、所得分散することができれば更なる節税効果が期待できるでしょう。

メリット(2)相続税対策に活用できる

年間110万円の非課税枠を活用して暦年贈与をし、相続税対策を行われている方も多いでしょう。

しかし、プライベートカンパニー(株式会社)の資産を「株式」という形で継承することで、より短期間でより多くの資産を多額の贈与税を支払うことなく生前贈与することが可能になります。

メリット(3)法人保険を活用できる

2019(平成31)年2月14日のバレンタインショック以降、法人保険を法人税の圧縮に活用することは難しくなりました。しかし現在も、法人保険を退職金の積み立てや保障を強化に活用されている方は多くいます。

個人で支払っている保険を一部法人名義にすることができれば、その一部を経費として計上しながら保障を強化し、個人の財布から出ていく保険料を減らすことができます。

退職金にかかる所得税は「(退職金の収入金額-退職所得控除額)×1/2×税率-控除額」の計算式で計算します。これにより、通常の給与として受け取るのと比較すると支払わなければならない税金は半分以下になるため、トータルで支払う税金を減らす効果が期待できます

特に、個人開業医の方や、退職金制度が整っていない医院にお勤めの方、勤続年数が短い方など、まとまった退職金が期待できない方にお勧めの手法といえるでしょう。


勤続年数
退職所得控除額
20年以下
40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超
800万円+70万円×(勤続年数-20年)


メリット(4)経費枠が増える

プライベートカンパニーを設立することにより、事業運営にかかる費用を必要経費として処理することが可能になります。事業所得は医院の事業所得や給与所得等と損益通算することが可能であるため、上手に経費枠を使うことができれば、節税効果も期待できるでしょう。

メリット(5)MS法人でなければ自身が代表になることも可能である

医院との取引を行うMS法人の場合、その法人の代表と医院の代表を兼務することは認められていないため、MS法人の代表を任せることのできる人が見つからずに断念されるケースもあります。しかし、プライベートカンパニーを設立して医業とは別の事業を営む場合、自身がプライベートカンパニーの代表となることも可能です。

また、たとえ所得分散する相手がいない場合でも、個人と法人で所得を分けることで、1つめのメリットで紹介した所得分散の効果を利用しながら上手に節税している方も多くいます。

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医師がプライベートカンパニーを設立する4つのデメリット

プライベートカンパニーの設立は、医師にとってメリットばかりではなく、デメリットもあります。メリットだけを踏まえて設立を判断すると、結果的に失敗してしまう可能性があるため、注意が必要です。

医師がプライベートカンパニーを設立するデメリットとしては、主に下記の4つがあります。

デメリット(1)初期費用がかかる

法人を作るには、登記費用や資本金などのイニシャルコストがかかります。設立費用が安いことでよく知られる合同会社の設立であっても、20万円程度はかかると見積もっておきましょう。

デメリット(2)運用コストがかかる

プライベートカンパニーを設立すれば、法人税や税理士の顧問料などのランニングコストがかかります。個人事業主の方で、確定申告などを自身で行う方も多くいるでしょう。

しかし、法人の決算業務までも自身で行うことは容易ではありません。そのため、法人をつくるなら税理士費用は必ずかかると考えておきましょう。

税理士費用は年間で数十万円程度のコスト増が考えられるため、それに見合った効果が期待できないのであれば、別の手法を検討することがおすすめです。

デメリット(3)勤務先に了承を得る必要がある

勤務先から給与以外の金銭が支給された場合は、プライベートカンパニーに振り込んでもらう必要があるため、設立を勤務先に伝えて了承を得ることが必要です。説明の仕方や勤務先の方針によっては、簡単に了承を得られない場合もあるため、丁寧に説明してください。

就業規則などの社内ルールで副業が禁止されている勤務先では、認められない可能性もあるため、事前に就業規則を確認しておくとよいでしょう。また、公務員は副業ができないため、公的機関で働く医師は特に注意が必要です。

デメリット(4)医業を行えるのは医療法人のみとなる

医療行為の対価として得た収益を、営利企業であるプライベートカンパニーで受け取ることはできません。つまり、メインの勤務先以外から受け取っているアルバイト代などをプライベートカンパニーでそのまま受け取るようなことをしてしまうと、税務調査で追徴課税が課される危険性も十分に考えられます。

プライベートカンパニーを設立する基本的な流れ

How to

プライベートカンパニーを設立する際には、あらかじめ流れを理解したうえで、計画的に実行することが大切です。プライベートカンパニーを設立する基本的な流れを紹介します。

STEP
設立シミュレーションを行う
設立までをスムーズに進めるために、法人設立までの流れを確認しながら、全ステップを一度シミュレーションします。


STEP
社名や所在地、資本金、登記申請日などを決める
社名(商号)や所在地、資本金、登記申請日など、プライベートカンパニーの設立にあたって基盤となる情報を決めます。


STEP
事業目的を決める
プライベートカンパニーを設立するにあたり、具体的に何を事業とするのか決定します。


STEP
定款を決め、認証の申請をする
定款とは、会社としてのルールを定めた書類であり、設立にあたって必ず作成する必要があります。定款の提出先は管轄する税務署であり、電子認証による申請も可能です。


STEP
登記申請
書類を準備したうえで、登記申請を行います。申請先は管轄の法務局で、オンライン申請も可能です。


STEP
税務署に各種申請を行う
会社の設立にあたっては、税務署に特定の書類を提出しなければなりません。法人設立届出書をはじめとした必須書類と、青色申告承認申請書など必要に応じて提出する書類があるため、事前に確認して作成しましょう。

なお、資本金は1円からでも設立できます。しかし、信用度を確保するために、最低でも500万円の資本金を設定しておくことがおすすめです。

まとめ

プライベートカンパニーとは、個人の資産管理のために設立される会社です。主に節税を目的に設置され、不動産経営や株式投資など、行う事業は医師ごとに決められます。設立には、メリット・デメリットの両方があるため、双方を比較して検討することが大切です。

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