医師の節税として「不動産投資」がおすすめな理由|注意点も徹底解説
近年、節税対策として不動産投資を行う医師が増えています。不動産投資の主な方法は、「賃貸物件を所有して家賃収入を得る方法」と、「物件を安く購入して高く売却する方法」の2種類です。
平均収入が多く社会的信用度も高い医師は融資を受けやすく、また実際の運用は管理会社に委託できるため、コツさえ覚えればスムーズに本業と両立できるでしょう。
ただし不動産投資には一定のリスクもあるため、基本的な知識と注意点をしっかり頭に入れておくことが大切です。そこで当記事では、医師の節税対策としての不動産投資について解説します。
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医師が節税として不動産投資を行うべき3つの理由
不動産投資を始めるためには、ある程度まとまった資金が必要です。社会的信用度が高い医師は有利な条件で融資を受けやすく、不動産投資のスタートラインに立ちやすいと言えます。
また、面倒な運用などの実務を丸投げできる管理会社が多いことも不動産投資業界の特徴です。そのため、多忙な医師でも比較的気軽に挑戦できるでしょう。
医師は平均所得が高い分所得税などの負担に悩みがちですが、不動産投資を行うことは節税にもつながります。節税としての不動産投資をおすすめする理由は、次の3つです。
(1) 減価償却によって本業の所得を圧縮できる
建物を購入して減価償却費を経費に計上することで所得を圧縮し、課税額を下げることができます。
減価償却は、建物の経年劣化によって下がった分の価値を経費とみなす考え方です。例えば法定耐用年数20年の建物を3,500万円で購入した場合、1年につき175万円(3,500万円÷20年)の減価償却費を計上できます。
土地付き建物を購入した場合は建物のみに減価償却が適用され、経年劣化しない土地部分には適用されません。
(2) 不動産投資での経費を計上できる
不動産投資を行う場合、減価償却費に加えて次のような経費を計上できます。
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交通費や交際費などについては、レシート・領収書などを用いて不動産投資にかかった費用であることを証明する必要があります。不動産投資用かプライベート用かが曖昧だと、経費として認められにくくなるためです。
(3) 相続財産の評価額を低められる
相続税の負担を減らしたい場合、現金を不動産に変えて相続税評価額を下げる方法があります。相続対象となる不動産が賃貸用であれば、評価額はさらに低くなります。
不動産を第三者に貸すことでその不動産を自由に使える権利が減り、その分不動産としての価値が低いとみなされるためです。
ただし不動産は現金のようにきっちり分割しにくく、また築年数や地価などの変化にともなって評価額も変わります。
相続させたい相手が複数いる場合は、相続人同士のトラブル防止対策も重要です。
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不動産投資には3つの種類がある
ひとくちに不動産投資といっても、実際にはさまざまな方法があります。
例えばアパート・単身者向けマンション・オフィスビルなどを1棟ローンで買う方法や、区分所有型マンションをローンなどで購入し賃貸物件にする方法などです。
次に、不動産投資の3つの方法について具体的に解説します。
(1) 節税効果が期待できる「収益型不動産投資」
収益型不動産投資とは、毎月一定の賃貸収入がある不動産に投資する方法です。
医院経営と同様に、購入した不動産は事業として賢く使うことで「節税効果」が生まれるなど、数多くのメリットを得ることができます。
また、医院経営と不動産経営を合算することで、課税対象となる所得額を軽減することも可能です。
例えば医院経営の5,000万円の収入に対して、3,000万円の社会保険料なども含んだ支出がある場合、残りの2,000万円が所得となります。
通常、この2,000万円は課税対象額になりますが、ここに不動産経営を組み合わせると、例えば1,200万円の賃貸収入に対して、減価売却費や利子、租税公課などの経費として1,600万円の支出を計上することができます。
【損益通算による節税イメージ】
医院経営の売り上げ |
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診療収入5,000万円 (経費3,000万円を差し引き後の利益額2,000万円) |
不動産経営をしていない場合、納税額は約710万円となり、最終的に手元に残る利益は 2,000万円-710万円で1,390万円となります。
一方で、不動産経営をしている場合は下記のような節税が可能です。
不動産経営の売り上げ |
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賃貸収入1,200万円 (経費1,600万円を計上した場合の赤字額400万円) |
損益通算を行うと、医院経営の利益の2,000万円に不動産経営の赤字分400万円を経費として計上できます。損益通算後の収入は1,600万円となり、納税額は約530万円となります。
最終的に手元に残る利益は、1,600万円(損益通算後収入)-530万円(納税額)+1,200万円(賃貸収入)=2,270万円です。不動産経営をしていない場合の税金(約710万円)に比べて、180万円の節税効果があるだけでなく、最終的に手元に残る利益も約880万円アップすることがわかりました。
不動産経営の所得は、税制上ではマイナスとなり、400万円の赤字を計上することが可能です。言うまでもなく、実際には賃貸収入が入ってきて収支はプラスになります。
これらは、節税効果を上げた1つのケースです。
医院経営・不動産経営の2つの事業を同時に行い、1つは年間成績がプラス経営、もう1つがマイナス経営だった場合、これをグループとしてまとめて確定申告できます。
当然、不動産経営がプラス経営であれば増税になります。よく見るケースですが、親から譲り受けた青空駐車場を診療用ではなく、月極で貸されている医師・歯科医師の確定申告書は、経費がほとんど出せないため増税になってしまいます。
極端な話、1,000万円の駐車場収入で経費がゼロ、そして本業の所得税と住民税率合計が50%の場合、医院経営と合算されて駐車場のみの手取り収入は、税引き後500万円になってしまうのです。
(2) インカムゲイン狙いの「不動産投資信託」
インカムゲインは、資産を保有し続けることで得られる利益です。投資の世界においては、株の配当金や賃貸物件の家賃収入などがインカムゲインに相当します。
インカムゲインの特徴は、一度に得られる利益こそ少ないものの長期間にわたって安定的に利益を得られることです。
賃貸物件に入居してもらった場合、入居者が退去するまで安定的に家賃収入を得続けることができます。
しかし物件が空室になると家賃収入が途絶えるうえ、新しい入居者を探すための宣伝広告費やメンテナンス費などで赤字になることも少なくありません。
インカムゲイン狙いの不動産投資は長期にわたるため、物件周辺の環境や人口構成の変化などによって利益が増減する可能性があります。
世間の情勢や地域の状況をまめにチェックしつつその都度投資計画を見直すことで、リスクを回避しやすくなるでしょう。
(3) キャピタルゲイン狙いの「不動産投資信託」
キャピタルゲインは、保有している資産を売却することで得られる利益です。
株や不動産を安く購入したのちに高く売却すると、売却利益から購入費を差し引いた利益が手元に残ります。
キャピタルゲインの特徴は、一度に得られる利益が大きい代わりに必ずしも期待通りの利益を得られるとは限らないことです。例えば物件になかなか買い手がつかず価値が下がったりすると利益を得にくくなり、また売却額が購入額を下回ると赤字になります。
そのため、初心者にとってキャピタルゲイン狙いの投資信託はハイリスクと言えるでしょう。
現在の日本において、不動産投資信託を含む投資信託の多くは毎月決算型となっています。
その名の通り毎月決済されて配当金が手に入るため、生活に余裕が生まれやすいことが毎月決算型のメリットです。
しかしそれ故に投資によって得た利益を再投資へ回しにくく、長い目で見ると利益が増えにくくなってしまいます。
また毎月決算型では投資元本を分配金に含めるケースがあり、知らず知らずのうちに損失が発生することもしばしばです。
毎月決算型の投資信託は、超低金利が長期に渡って続いている日本市場特有のものであり、海外では例を見ません。
そういう意味では、おすすめできない金融商品のひとつと言えるでしょう。
メリットやデメリットをしっかり見極めることは、医師・歯科医師といえども「初心者」であれば不安が多く残るはずです。
開業する医師・歯科医師、または継承された方は、資産形成についてさほど学んできていないことがほとんどなためです。
確実な出口戦略を仕組みづくりから始めることは、これからの医師・歯科医師のマストアクションになってくるでしょう。
医師が不動産投資を始める前に知っておきたい注意点
医師が不動産投資を始める際は、次のポイントをしっかり確認することが大切です。
●節税だけを重視しないこと
不動産投資をすることで高い節税効果が期待できるものの、節税だけを目的にして不動産投資を行うと思わぬ失敗につながる恐れがあります。
高い節税効果が期待できる物件のほとんどは、投資額が高く赤字になりやすい物件です。反対に投資額を抑えられる物件の多くは古い物件であり、減価償却による節税効果もそれほど期待できないでしょう。
加えて、一部のヴィンテージ物件などを除く古い物件や立地のよくない物件は入居者にとってあまり魅力的とは言えません。
リフォームやリノベーションによって入居率アップを図る方法もありますが、経費に計上できない費用が発生して大赤字につながることもあるため注意が必要です。
●複数の不動産投資会社を比較・検討すること
不動産投資会社を選ぶ際は、会社規模や対応エリアだけでなく担当者との相性やサービス内容なども慎重に比較・検討することが欠かせません。
信頼できる投資会社と長く付き合い続けたい場合は、物件の売買だけでなく賃貸管理やリフォーム工事なども行っている会社がおすすめです。
医師は本業が忙しいため、投資について学ぶ機会を設けにくい場合が多々あります。
無理なく学び続けるためには、投資家向けセミナーや相談会に力を入れている会社もおすすめです。
●自分に合った不動産を選ぶこと
医師、歯科医師が不動産投資を順調に進めるためには、本業と無理なく併用できる不動産や、自分の状況に合った不動産を選ぶことが必要不可欠です。
不動産と一言で表現しても、構造(RCや木造)・立地(都心部、郊外)・広さ(一人暮らし向けか家族向けか)など様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
不動産投資によって得たいものが違えば、合う不動産も違います。
まずは今の自分自身にどんな不動産が合っているのかを考えることが大切です。
また、今後は人口減少や賃貸物件の供給過剰などによる空室の増加が懸念されるため、空室リスク対策が特に重要となります。
特にファミリー向け物件と比べて入れ替わりが激しい学生・単身者向け物件では、入居期間を延ばすための対策や退去後早めに次の入居者を見つけるための対策も必要です。
長期間にわたって物件を所有し続けた場合、いずれはリフォームしたり親族などに相続させたりする必要が生じます。
目先の利益だけでなく数十年後に起こりうる出来事も想定しながら、慎重に投資しましょう。
収益型不動産の「空室リスク」を回避する3つのポイント
収益用不動産にはいくつかのリスクがありますが、最大の問題は「空室リスク」です。特に、少子高齢化による人口減少が進んでいくことが予想されている日本では、空室リスクの回避を最優先に考える必要があると考えられています。空室リスクを抑えるには、具体的に、次の3つが重要になります。
(1) 立地
転居を考える際には、一般的に○○駅の近くに住みたい、職場や大学に通いやすい場所がいいといった具合に、まず住みたい地域もしくは沿線を決めてから、その街の不動産屋さんを訪れることが多いかと思います。
そういった理由で、お部屋を決めるにあたって最初に取捨選択される「立地」は不動産の空室リスクに大きな影響を及ぼします。
空室を埋めるには、まず多くの方の目に留まることが重要です。そのため、できる限り需要の高い地域の物件を持ちたいものです。
○○駅徒歩○分といった条件はもちろん重要ですが、単身者向けの物件・ファミリー向けの物件によっても入居希望者が重要とするポイントは異なります。
単身者向けの物件 |
ファミリー向けの物件 |
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このように、想定される入居者が利用するであろう施設や求める環境があるかどうかなどは事前に確認しておきましょう。
(2) 物件
その物件がその土地のニーズに合った物件を選ぶことで、空室率を下げることができます。地域に住む人の年代や年収、家族構成によって、物件グレードや間取りの需要は変わります。
例えば、繁華街に近く賑やかな土地にある物件は、利便性を重視する単身者に好まれる傾向が強くあります。
反対に、小さなお子様のいるファミリー層などには治安を心配して選ばれない可能性が大いにあり、逆にファミリー層が好む閑静なベットタウンは、単身者向け物件の需要が見込みにくいと想定できます。
世相に合った間取りや設備が整備されているなど、地域の入居者に選ばれるものを選ぶことが、空室リスクを回避する2つ目のポイントです。
(3) 管理
物件の価値を長く維持するためには、誰に管理を任せるかも非常に重要です。
(1)と(2)の条件を満たす物件を所有していても、時間の経過とともに情勢が変化し、近隣に競合物件が増えたり、周辺企業や学校の移転などで住人の層が変化したりすることは十分に考えられます。
空室が出た際などもそうですが、そのような時にすぐに募集をはじめ、適宜広告を出し、時期によって募集価格を微調整する、古くなってきたら賃料の見直しやリフォームなどの手段を講じるなどと戦略立てて物件を管理してくれる人に任せられるかどうかで、運用成績は大きく変わります。
資産価値を長期維持するため管理会社がしっかり管理しているものを選びましょう。
立地、物件、管理の三拍子が揃った物件を選択することで、長期空室リスクは大きく低減できるはずです。
まとめ
医師が不動産投資を行うことで、減価償却などを活用した所得圧縮や相続財産の評価額引き下げなどによる節税効果が期待できます。ただし不動産投資にはある程度の専門知識とテクニックを要し、投資初心者が節税だけのために不動産投資をすると思わぬ損失にもつながりかねません。
不動産投資を確実に進めたい場合は、長期的な視点を持ちつつ信頼できる不動産投資会社を選ぶことが大切です。投資に関する実務は不動産投資会社や管理会社に任せられますが、自ら積極的に学び続けこまめに情報収集することが成功への近道となるでしょう。
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